短歌「歌で感じる自然」

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「静岡県の美しい水と緑」

平成16年度にご応募いただいた短歌の一部を紹介します。

今朝の富士茶畑のみどり良くマッチ其の上軽快父の茶刈機(菊川町/赤堀武彦)

霧晴れて川面の緑あざやかに悩みしあ事もいつか晴れたり(富士市/堤咲風)

新緑がけなげに包む不法投棄心痛める愚かな行為(沼津市/土屋衛/農業)

遠き日に友と遊びし大井川流れ細きも心変らじ(川根町/森田祐次/農業)

くさむらに土砂出して行く堀ざらいやっと戻った蛍いますに(袋井市/天野はつ江)

朝夕に眺めし川は柿田川四季の緑を写して流る(清水町/小野しづ子)

明善の遺徳を偲び緑と水の四季を楽しむ(浜松市/小川稔/自営業)

ぼこぼこと清水沸き出るみたらしに口を注ぎて登る磴(いしざか)(掛川市/横山清華)

雪衣辿り着きたる大棚の緑称ふる一条の滝(富士市/池上啓子/パート)

「富士山を見たい」とアクセス数万件間近に仰ぐ我は幸せ(富士市/鈴木とも子/主婦)

水すまし心澄ませば戻り来るきれいにしたよ泳ぎに来い来い(静岡市 佐藤りつ子/クラフト作家)

植え田なる伊豆の棚田は水注ぐところに黒く蝌蚪の群れをり(焼津市/松本匡二/パート)

新緑の息吹背に受け遥かなる富士仰ぎ見る恋人岬(伊豆市/佐久間玲子/主婦)

いつ見ても飽きない富士の地に住みて幸せ思う朝な夕なに(芝川町/林二三子/主婦)

早苗田とバリカン刈の茶畑を入れて籠坂青き山描く(藤枝市/曽根春雄)

わがさとは螢はぐくむ水きよし山は緑の幾よ経るとも(豊田町/中村治雄)

「みどりの日」昭和御門(みかど)に手を合せそれぞれの地の緑守りて(静岡市/川口美代)

先祖より継承されし山葵田に霊峰の恵み豊かに流る(御殿場市/瀬戸瓔子/農業)

ウオーキング足をとめれば新緑の藁科川に木枯の森(静岡市/酒井松枝/主婦)

ヘルパーの方の力を借りつつも安けく暮らす戦なき國(藤枝市/深沢艶)

水とりて緑ますますあざやかに目に映え意之地の洗われて(福田町/大石徳治/会社員)

心までみどりの色に染りそうふるさとに来て新茶摘む時(豊田町/藤田ことゑ/主婦)

日本一安倍川の水きれいだとラジオに聞いて本当かと思えり(静岡市/多々良友彦)

浜名湖のほとりを埋めた会場で五千品種の花咲き誇り(湖西市/松野基子/主婦)

富士山の伏流水の渾々(こんこん)と子らに語りし歴史の雫(富士宮市/川口秀也/教員)

山峽と清流流る興津川山の濃みどり河鹿もなきて(静岡市/村松岑子)

朝まだき欅並木はせせらぎの音を岸行く我に返しぬ(富士市/近藤和雄/公務員)

安倍川の蛇行ゆるやかに芽吹きそむ中洲はつかに今朝は靄えり(藤枝市/栗田きく江)

鮎泳ぐ川面を叩く通り雨釣り人の竿じっと動かず(静岡市/岩本和枝/主婦)

若葉もゆさつき青葉の天竜川川の流れの楽しいメロディー(浜松市/金子ますへ)

夏初め緑の湿地群れ生えて富士見えぬ日は雲うつす水(富士川町/宇佐美幸一)

あじさいがほんのり青く色づいて川の流れにうかぶコイ色(三島市/水谷富美代/主婦)

みどり濃き木下に憩えり奥大井風のささやき川のせせらぎ(袋井市/森下志江)

ほーほーと子等の呼ぶ声戻り来よ蛍舞ふ夏水澄む里に(岡部町/諏訪とし江/農業)

富士の嶺を軒に仰げる地に嫁して水と緑の豊かさに和ぐ(静岡市/山梨美恵子/主婦)

風吹きて柳の絮の眼交ひを占めつつ流るる大井川岸辺(静岡市/望月チカ)

故郷(ふるさと)に大地の潤う清き水我が静岡に命育む(藤枝市/松本俊夫/会社員)

タンポポの絮飛んで行く土手の遠くにかすむ安倍奥の山(静岡市/大島昌子/主婦)

野の川の落ち合うところ小鮒群れ水におどれる藻草をつつく(函南町/塩谷千鶴子)

木の緑水の流れの美くしく自然の恵み豊かさを知る(水窪町/大川けさ子)

富士晴れて湧水名高き柿田川訪れる人みな美くしき(沼津市/山田久子)

田水引く小川豊かに流れゐて緑したたる柳と緋鯉(藤枝市/秋山二三子)

朝の風若緑(みどり)の田んぼをきらめかせ今日もいくいく幸せの中(函南町/三田聖/韮山高校3年)

山の谷上る朝霧樹々濡らししずくと成りて緑育む(天竜市/斉藤賢人)

富士あがめ心と体すこやかに県人こぞって前向き姿勢(小笠郡/林和子/主婦)

若草のこ径をゆけば花明り藤の房まにひと筋の瀧(三島市/青木周一)

山を背の野仏に合掌眼を挙げれば新緑輝けり(富士市/小川哲夫)

富士・箱根・伊豆の山並み居ながらに望める里に住める幸せ(函南町/蒔田まさ子)

浜名湖に世界の花々集まりて香り豊かに梅雨を彩る(御殿場市/鈴木礼子/主婦)

脈々と流れし水は遥かなる伊那谷に遊びし頃を想う(豊田町/儘下好夫/自営業)

太田川群れる柳に今もなくうぐいすの声潤いを増す(袋井市/山下明夫/市嘱託)

岩間から湧き出す清水音をたて一吹く風に途ぎれまた聞く(天竜市/黒川昌次)

ふるさとの清みし川にはほたる舞い森汚さじと子らに伝えん(天竜市/川島律子/デイケア看護士)

湧き水をたたえ流るる柿田川川面の風に梅花藻ゆれて(清水町/森崎京子/主婦)

濃きみどり朝日に照りて眩しくも水も清らか天竜川(天竜市/市川正子/主婦)

緑濃く雨に濡れいるあじさいの葉上に蛙まるく眠れり(裾野市/花村友希江)

ああこれが山葵田の風幾つかの滝を見ながら天城路越ゆる(静岡市/青木信一)

クレソンの生ひ茂る下水音すここが源流花沢の里(焼津市/駒井久子/美容師)

滾(たぎ)ち行く水のかたへの向岸卯月卯の花流れにまかす(裾野市/中西たか子/主婦)

天城は父狩野川は母有線からながれる懐かしき校歌(伊豆市/大村清子/主婦)

図書館へ続く並木の緑濃し染まりてゆかむ木漏日の中(静岡市/千田春男)

青大将泳いで消える沼川の川面は元の静けさとなる(沼津市/平田初代/会社員)

あおぎみる富士の裾野の花博ですばらしきかな人/水/空気(宮城県石巻市/西村文子/主婦)

湯ケ野にて鮎をかけんと河津川深き緑に夏の陽和らぐ(静岡市/今井登美子/会社員)

天城山山葵田ありて木々深かし四季を通して味わい深し/藤枝市/岡本幸子)

五月雨や木々の早緑一段と眼に眩しくも濡れ滴たりて(静岡市/三浦里子/主婦)

せせらぎの音聞きながら農作業水面に映える白百合清し(引佐町/西田知世/主婦・農業)

バイカモを揺らして流る緑陰に蛍舞いたる源兵衛の川(函南町/保科章代/主婦)

雪解けの岩をくぐりて湧き水の水草分けて砂の踊れり(裾野市/長川美千子)

蝉時雨雷鳴聞きつ経ケ岳はいずり上がる天の源泉(浜松市/新村健一/公務員)

新緑を水面に映す明神池群れに一羽の白鴨遊ぶ(御殿場市/岩本栄子)

平成と変りし今もふる里の鎮守のもりは緑豊かに(吉田町/橋田利夫)

そびえ立つ富士の山に顔向けて季節の変化を目で味わう(富士市/杉山安希/高校3年)

大井川右岸の水の豊かさに菜園の緑色を濃くして(菊川町/大橋キソ/主婦)

ウオーキング大会の焦り力みのうすれゆく浜名湖畔に歩を止めし時(焼津市/原川瑞穂/主婦)

「えっちゃん」と誰もが呼んでくれる町盆には帰ろう山百合の里(東伊豆町/冨岡悦子/教員)

天竜川の急な流れにも花火が映り(浜北市/橋本まさや)

富士を背に真白き龍の大群の雄たけび聞こえる滝の白糸(富士宮市/中山京子/レストラン営業)

大井川筏流しも遠き世と蒸気機関車もみじをめざす(静岡市/望月松枝/主婦)

天竜の暴れたる川今/昔/ダムの全様緑り静かなり(浜松市/杉本衛)

わらび採りふきも帰りに水洗い阿多古の川の冷たき流れ(磐田市/藤村孝之)

水の中魚が泳ぐ川をみてよごしたくないそう願います(富士宮市/植松由貴/富丘小6年)

富士の山緑かがやく山のもりこわれぬように守っていこう(富士宮市/高木悠衣/貴船小6年)

富士山の山がかけても無我夢中自然の子たち守りていきな(富士宮市/竹川由里香/富丘小6年)

美しい富士の自然にかこまれて我らの町の神のめぐみか…(富士宮市/芝切若奈/富丘小6年)

富士山のこの美しさ未来にもゴミを拾おうきれいにね(富士宮市/渡井諒/富丘小6年)

小笠山葉の緑にも個性あり我にも似合う色があるはず(袋井市/浅原幸子/自営業)

天竜川やかたの舟がこぎ下り冷たいしぶき笑顔でうける(天竜市/芦澤一代)

最期だと胸に納めてドライブに山の緑はあたたかく燃ゆ(浅羽町/溝口あき子)

五十年をかけて湧き出づる富士山(やま)の水水面ゆたかにわが街流る(富士宮市/朝比奈ふく)

空と水自然の恵み大切に川は流れるきれいな心(島田市/西川富男/パート)

天竜の鮎釣り人よ永遠よ今年も父のああ(父の)夏がきた(浜松市/内藤真美子)

森林の間を落下す安倍大滝命の水の感動を知る(焼津市/原川とみ)

アルプスの流れの水は谷深く育む霧雨森うるおしけり(焼津市/池上和子/主婦)

源平川の飛石伝ひのせせらぎに夕べ螢の飛び交ふを見る(沼津市/遠山泰代)

上京し北はどちらと訪ねられ思わず見回し富士山探す/富士宮市/小野忍/短大2年)

こぼれ日や流れる沢にカニ一つ緑に包まれ涼しさ感ず(藤枝市/岩本かつ江/主婦)

勇壮とそびえる姿逞しく台風一過の富士の笠雲(浜松市/庭坂ヤチヨ)

今日こそと雲の帳を吹きはらいすっくと立てり静青の富士(裾野市/菅沼貞子)

山仕事沢水沸しひとときののどうるおして緑まぶしく(静岡市/三浦昇/会社員)

湧き水の流れに咲きし梅花藻のふる里の川なつかしきなり(三島市/土屋結城)

攻防の要なりしや大井川三筋の流れ夏にきらめく(焼津市/原川みさ)

歌に絵に天竜下りの桧笠濡るしぶきにスリル満喫(浜松市/須貝武)

静岡の緑鮮やか茶園にはいっぱいあるよあふれる愛が(菊川町/白松美枝/自営)

朝に夕緑の庭に水打てば五色の花に虹の輪描く(藤枝市/水野幸代)

わが郷土富士の湧水流れ来て山野も緑美はし駿河(静岡市/田代喜久枝)

万緑に源発する清き水四季山染めて蕩々ゆく(三島市/高田昇)

何かよきことありさうな朝川の水面を光の破片ちりばむ(菊川町/岡本勝代)

いい空気深こきゅうだぞ気持ちいいな緑いっぱいぼくたち元気(富士市/田中陽大/吉原小4年)

いい空気鳥が鳴いてる気持ちいいなしぜんの空気づっとこのまま(富士市/田中美帆/吉原小3年)

遠望の山紫水明天城峰を源なせる清き狩野川(函南町/滝野良)

雪水の麓の緑はぐくみし地球のオアシス富士山連峰(焼津市/清水みさ子/主婦)

山を貫き高速道の列線はまたも海見る富士の高嶺も(藤枝市/種石昌雄/農業)

にごりても台風去れば空の色写して澄める安倍川の水(静岡市/高橋フジ)

風わたる湖面に光る漣に明善寺守りし山並揺れる(浜松市/渡辺幸夫)

青々と茂れる雑草踏み分けて国分寺跡をゆっくりと歩く(浜松市/夏目乃輔)

慈雨ありて不動の森もみどり増し鎮まる亡兄(あに)の句碑も苔むす(浜北市/秋山すゑ)

島影が夕日を浴びてシルエット漁火ぽつり三保の沖には(静岡市/今村敏雄/会社員)

散歩路の三島大社の風涼し息ふきかえし帰路を急ぎぬ(三島市/小出とよ子)

駿府城外堀泳ぐ白鳥の光を引きて円を画ける(島田市/鈴木まつ子/自営業)

赤石の山並み遥か富士の峰白雪被るその姿よし(大東町/高橋路郎)

電線は五線符となりて中空に全音符のような月が見えくる(浜松市/溝口ふきゑ)

尻叩き辿り着きたる峠から流れ光し大井川見ゆ(浜松市/鈴木道昭/教員)

新緑が川面を渡る菊川に水しぶき上げ鯉はね上る(菊川町/青野いそ)

汚れきて佐鳴湖の水澄み初む葦のみどりの静かに殖(ふ)えて(浜松市/瀧本義昭/農業)

よどみなき川面に映ゆる幼子のあどけなき顔命の輝き(雄踏町/神田裕子)

富士川の土手の芝生にダンボール滑りて楽し園外保育(富士市/菅野訓子)

断崖の垂水にたれ咲く山百合をめでつつ下る天の中川(森町/塩沢重義)

ふじの山南アルプス茶畑ワサビ育てる自然湧水(浜松市/柿沢さわの)

萌ゆる木々洗うがごとき桂谷(たに)の雨霧たちのぼりて宿の窓みゆ(伊豆市/鈴木治子/主婦)

みどりこく蝉の声のみかしましくひと雨ほしい花も草木も(磐田市/海野あい)

寒葵の根を残そうと棒立てて市有森の草黙々と刈る(島田市/萩原とし子/主婦)

風に揺れ緑の葉っぱ鳴らす稲ほんの一時小さな幸せ(焼津市/久木野弘子/藤枝順心高1年)

静岡は秋津の中の箱庭か山に囲まれ大河流るる(静岡市/坂本功雄/会社員)

幾条の早苗のみどり光らせて田面を渡る六月の風(島田市/竹島志奈/主婦)

あかときを待つ鳥の声かき消してごうごうと鳴る赤水の滝(藤枝市/佐藤都)

濃く淡く緑重ねて匂ひ立つ草木の若芽に雨は糸引く(藤枝市/杉本弘子/主婦)

悲しい時は海にゐた遠州灘が宇宙までつづいていた十五の頃(浜松市/青木典子/自営業)

万葉のうたの心の筆のあと染める七彩(なないろ)谿谷(たに)の美(うる)わし(細江町/加茂吾郎/農業)

人の手にふれることなく流れゆく天城の山をかけ落ちる水(御殿場市/滝口弘子/主婦)

起き抜けに含みし水の美ければ富士の恵みにこうべを垂れぬ(富士宮市/土屋邦康)

朝またぎ海辺に立てばキラキラと赤き魚等ダンスするごと(戸田村/山田喜美子/主婦)

里山の裾を流れる川浅く水底澄みて藻の緑濃き(静岡市/石田健二)

清流の水音涼しアキアカネ木陰に想う大蛇伝説(浜松市/柴田信子)

恵まれた森と小川の息吹から明日へ続く夢をつかもう(浜北市/鈴木幾子/主婦)

戸を繰れば若葉の薫りあふれゐて初うぐいすの遠鳴き聞こゆ(熱海市/小峰一寿)

大井川水や石ころおさならの遊びし日々を吾は見ており(菊川町/落合百合子)

百年の伏流水に身をゆだね三島バイカモ白きわだてり(函南町/菅野幸子/主婦)

ヤマメ追い沢奥く深く立込めば雪どけ水が足元冷やす(森町/高木勝男/会社員)

ときをりの微風になびく早苗田の緑まぶしむ墓参へのみち(静岡市/福地久子)

雪とけて富士の胎内めぐりきて三島バイカモ緑が映える(沼津市/小池孝)

大井川緑の山を両岸にSL眺め川根茶を摘む(中川根町/太田堯恵)

子や孫が命名受けし浅間神社深き木立に美しく映りぬ(静岡市/太田恭子)

汚さずに未来の家族に届けたい富士山からの自然の便り(沼津市/高橋留美子/高1)

駿河路に緑と水辺富士仰ぎおおワンダフルこれぞ静岡(島田市/西田二郎)

沸く如くトンネルい出る清流に弱りし鮎の浮きつ沈みつ(島田市/池ヶ谷兵作/農業)

田から田へ流るる水の恵みもていま穂揃いの時を迎えり(相良町/森下芳香/農業)

山合いの流れる水は生きていいる緑を写し小魚泳ぐ(引佐町/平田安子)

頂上に些々(ささ)雪残る富士山を映して裾野の早苗田は澄む(藤枝市/松本きく子)

どんと鳴る安倍川花火神技の緑ゆるがせ天までとどけ(静岡市/紅林すき)

遥かなる伏流了へて躍るがに湧く雪代の富士の湧水(静岡市/石神方子)

初秋の川に素足を遊ばせてペディキュアの赤透かし眺める(沼津市/藤井初恵)

春さくら秋は野菊の丸子川われらが知恵で残して行かん(静岡市/森田てる/主婦)

ゆったりと海と湖交りて渦巻きながら大洋に帰す(静岡市/小笠原富司/パートタイマー)

川端にホタル求めて子等集う川ニナ育つ流れ永遠にと(磐田市/海野すず江/主婦)

大井川鷹取山を一跨ぎ朝(あした)の虹にふかまる緑(川根町/中沢まさ/農業)

我庭のなつめに群がる鳥達が水面の緑ゆらし飛び立つ(浜北市/神谷敬子/主婦)

清流もダムとなりたる天竜の湖畔に生ずく若人の夢(天竜市/高橋芳/主婦)

静岡の水と緑のコントラスト山あり川あり地形に景観(磐田市/大村栄男)

天竜の早瀬を鮎の昇り来る太古の森を分け入るように(福田町/掛井広通/会社員)

天仰ぎ雪渓冠り峰々に溶けてやがては三大川え(浜松市/田代富太郎)

水清し山は緑の衣更え梅雨入りして霧のスカーフ(吉田町/相馬きみ/洋品店)

天竜の水に双子の声乗せて故郷母に我れ便り書く(浜北市/内山澄子/主婦)

谷を縫ひ峡谷覗きアプト式機関車われを深山に運ぶ(静岡市/栗田富貴代)

柿田川砂かき乱し湧く清水トンボのつがいハートを描く(清水町/橋本さと江/主婦)

我が足をかばいて友の伸びたる手緑の風吹く金時山に(富士市/漆畑典子/飲食業)

永明寺の庭散策し湧水の冷たき流れに暑さ忘るる(富士市/斎藤幸枝)

谷間より峰々を覆う葉桜の自生の大樹風土と相俟つ(川根町/川野みゑ/農業)

ほど遠い富士の山にも春が来て雪解け水の沢の音(沼津市/中村格男/公務員)

しめ縄をくぐりて湧きたつ岩清水水神の森に涼気ただよう(沼津市/村田諭隆)

街中を走る水あり島田宿花みずき路(みち)緑静かに(藤枝市/伊藤真一)

山畑に秋菜蒔かむと草を取る清水港見ゆ富士の雄姿も(静岡市/吉田たつ)

天竜の森に生れし一滴は大河となりて我体ながるる(浜松市/金原あい/主婦)

健といふ深層水の汲み場には天城の緑生ひ茂りたり(西伊豆町/山本良子/主婦)

蟹穴に白き砂入れ道しるべ富士を量(かて)にしみつけし命(清水町/金子綾子/主婦)

海の中サンゴの森にかこまれて魚いっぱいふしぎいろいろ(静岡市/池田椋亮/長田東小4年)

緑山青山のせてかすむ山その山富士に巡り合うかも(静岡市/萩原留美子)

水含み木かげに旨し地の雫山並霞みて富士も見ゆる日(菊川町/信国けさ江/主婦)

狩野川ののどかな流れいつまでもあゆ解禁に釣り人集う(韮山町/豊竹順子/主婦)

そよ風や川のせせらぎ感じるね目を閉じようよやすらぎのくに(沼津市/石川錬/小5)

きらめいて満天の星山深し川面におどる山女かな(静岡市/佐野淳子/会社員)

行く水にふかく静けく山影いだき狩野の流れは今日もさやけし(伊豆市/内田常幸)

せゝらぎの若葉を伝う水しずくながれ流れて駿河の海へ(静岡市/増田光夫)

早朝の散歩の帰り湯日川(ゆいかわ)に水音激し鯉の産卵(吉田町/辻美保子/主婦)

松並木残る街道ふるさとの走る車窓に海はきらめく(浜松市/小池百合子)

幼子のひざ小僧そば魚はね汗にも似たるしぶきかかりて(浜北市/伊藤勝美)

ゆとりなき商いの身に蝉しぐれ川に沿ふ道風通ふ径(島田市/八木澄子/会社役員)

田沼城歴史連なる萩間川白鷺舞いて岸辺すがしき(相良町/植田澤子/生花店経営)

みどり萌ゆ水面に映える富士の山雲の上からゆらゆらゆらり(静岡市/橋詰武)

湧水の蒼く澄みいる池の面まるみを帯びて春陽あふるる(静岡市/杉浦千杜/主婦)

清水港富士を眺めつ駿河湾フェリー船出の伊豆へ船旅(西伊豆町/山本房夫)

静岡の四季が育てし若人のたくましき技アテネで光る(藤枝市/小林きよえ)

赤石の連山緑萌えて来て脳裏に霞む山坂の道(浜北市/河合博彦)

牧の原大いなる緑の大茶園水上げし人の苦労を思う(御前崎市/中嶋吉恵/農業)

美しく緑豊かな富士山を皆で守ろう残していこう(富士宮市/西村千枝/会社員)

青き海青き水にかこまれしすむ人の心すみて美わし(榛原町/増田歌代)

富士の裾清き水湧柿田川三島ばいかも白き花(伊豆長岡町/古木智子/主婦)

富士の秀(ほ)の初冠雪に朝の陽の及べば染まる薄紅色に(静岡市/鵜殿昌子)

水の音遠くかなたから聞こえてる静まり返った山にこだまして(静岡市/竹下紀子/主婦)

すげ笠の船頭竿さす我入道の渡し渡らむ富士眺めつつ(浜松市/荒木治子/主婦)

とこしえに山はみどりに水清く皆で防ごう環境汚染(藤枝市/池田雪)

昇る日の静寂の中朝つゆの光る玉見ゆ黄金の穂かな(静岡市/望月恵美子/主婦)

真夏日の谷間に流れし真清水を手杓で飲みてのどをうるおす(中川根町/上野さだ子/主婦)

山裾に乙女の姿が山百合の白き香りは牧ケ谷の里(静岡市/浮島睦朗/自営業)

わが郷の宝を守る瓢箪池の今日藻を刈ると壮きらの舟(磐田市/松下宣子)

父母の開墾をせし茶畑にダンプ走りて空港築く(島田市/増田ちづ/主婦)

あさぼらけうす墨から緑に移りゆき狩野川の岸で草木目覚めし(韮山町/津田訓旦/団体職員)

富士山(ふじやま)の千年(ちとせ)の雪に育(はぐ)くまれ柿田の川に梅花藻ゆらぐ(清水町/長谷川美代子)

炎天下山道たどりわさび田へ宝石のごと清水流れる(静岡市/朝比奈和子)

岩しぶきあばれ天竜かけ橋に赤石(あかし)の峰の淡きこもれ日(浜松市/星野知子/自営業)

浜名湖花博タイの館はオレンジの屋根すっきりと水辺に立てり(藤枝市/神谷知子/主婦)

清い水緑り輝く公園で人と学て健康作り(静岡市/杉山トメ/農業)

魚の背のつかのま見えて水蒼し二曲りして滝となる川(静岡市/長沢重代/農業)

遙かなり朝霧高原緑こき乳房豊に放牧の牛(静岡市/千野正治)

池の端萩の花房かきわけて朝露にぬれ青葉散歩路(静岡市/渋谷紀未子)

諏訪湖より流れ注ぎて天竜の川面豊に緑を写す(浜北市/曽我隆)

神田川に散りし花びら流水に光りつつ消ゆいのちさながら(富士宮市/篠原千枝子/会社役員)

大井川四季折折の景色のせ今も流れるふるさとの川(静岡市/児玉芳枝/おもちゃ図書館委員)

吊り橋をゆらりと渡れば深みゆく空と水との青に溶けゆく(静岡市/久保田美枝子)

つんつんとやはき新芽の羽子に似て茶刈機の音高く四方より(掛川市/松浦彩美)

ぶなけやきもえるごと立つ葉の向こう伊豆の山なみ初夏香りくる(島田市/藤野戸美江/主婦)

公園の紅葉葉楓(もみじばふう)の深緑りくつろぐ人の日傘となって(福田町/栄田九州男)

狩野川の土手より仰ぐ富士の山昔も今も気高きままに(裾野市/尾崎さゆみ/会社員)

白鷺の水面の影もゆれず佇つ桶ヶ谷沼に蜻蛉生るゝ(磐田市/鈴木博信/会社員)

登りきし山より臨む狩野川はみどりゆたかに水流れゆく(沼津市/生田素子)

悠久の心癒やせる流れしてわが古里の深良用水(裾野市/勝又国佳/団体職員)

天竜川岩を砕いて砂となす河の流れは偉大な力(湖西市/細田潔)

ふる里を離れ得ずして狩野川の水に親しみそれなりに生く(伊豆市/市川章)

吾が畑にもよく育ちてコンフリーその地に根付きし処その地を肥やす(焼津市/中野正代)

わが終(つい)の住処ぞ富士の裾野なり旨き水あり澄む空気あり(芝川町/風岡俊子/主婦)

秋桜さやぐ野辺より裳裾ひき富士は燦たり我が生誕日(富士市/伊東典子)

霊山の禊や小石あつまりて柿田の水脈に浮きつ沈みつ(静岡市/田中啓)

海目ざし大天龍は流れ行く山の緑の色映えて(島田市/関吉太郎)

緑燃ゆ賤機山に一人立ち安倍川の流れ今日も変らず(静岡市/山内雅子/主婦)

赤石の嶺から下りしこの清水わらしなの人らに慈愛あり(静岡市/石上とし/農業)

さわやかな緑の風と清き水忘れられない夢のつり橋(静岡市/森しげよ/自営業)

なんの虫おいなりさんの森の中白くて天しみたいにとんだ(掛川市/松浦未有/掛川西郷小2年)

間ノ岳の源流はるか渓谷を下り豊かに川は飛沫(しぶき)す(島田市/白畑幸子/主婦)

小雨降る天竜川に釣り人の遠くけむりて合歓の花咲く(福田町/小田靖子/主婦)

緑はえ山並み映す稲田にて豊作祈り草取りをする(蒲原町/山下昭)

みずうみに映る緑の濃淡を夏風渡る接岨峡ゆく(藤枝市/村松千鶴子/主婦)

彼岸花瀬戸川土手の群落に暫し眺むる野分立つ夕(藤枝市/山崎久美子)

蓬莱の木橋の長さ数えつつ渡る川瀬のきらめき流る(静岡市/川口いさ)

蛍捕り蚊帳に放ちて寝ねし夜もはるかとなりて語りべもなし(豊田町/鈴木正巳/農業)

遠つおうみ誰が影写し艫進み気賀の街向け小春の今日を(浜松市/葉たら木努/会社員)

富士山の命継ぐごと幾年月経て湧き出ずる柿田川の水(神奈川県茅ヶ崎市/望月キヨ子)

牛は去り観音山にサイロ消え植えた桜よ大きく育て(天竜市/鈴木洋子/パート)

下界では越すに越されぬ大井川またぎ越えゆく山人の列(沼津市/石井徳子/主婦)

峰仰ぎ流るる天竜茶の香り湯にぬくもりて活力を得る(浅羽町/今井みゆ紀/主婦)

萌黄色濃淡織りなす天城路を歩めり五月の光輝く(富士宮市/深沢綾子/主婦)

川流る渕に咲きたる夾竹桃川面は姿をあかあか映す(新居町/疋田新次/農業)

父と会ひ母に手引かれ三島の水戦争乗り越へ今に霊水と湧く(富士市/望月仁)

はつなつの茶園に向かひ渡りゆく大井川に懸かる長き木の橋(島田市/清水美千代/パート)

よい待草の香流れて天竜川静かに大きく月映す(函南町/丹下春美/主婦)

凛と立つ富士の湧水めぐらせて菜田青々と早春(はる)を謳えり(小山町/大矢幸子)

秋晴れにくきやかに聳ゆる富士の山その胎内にマグマ秘めつつ(静岡市/小澤里江)

白鷺も交りて鴨ら朝餉らし水上の川しずかに流る(三島市/関野とくゑ)

花の香で人の心は癒さるる処るところで花は咲くなり(名古屋市北区/有賀みよ子/主婦)

かくれんぼ好きな水たち森の中もういいかいもういいよ(愛知県稲沢市/内藤れいこ/主婦)

万世に命継(つな)がん百合の花今日も限りと吹き誇りけり(滋賀県長浜市/金沢孝直/農業)


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